パキスタン地震災害派遣
パキスタン地震災害派遣概要
パキスタン地震災害へ救急救命士を派遣
パキスタン地震災害に当消防組合の救急救命士2名が、それぞれ国際緊急援助隊医療チーム1次隊、2次隊としてパキスタン・イスラム共和国へ派遣されました。
平成17年10月8日(土)日本時間12時50分頃(現地時間8時50分)、パキスタンの首都イスラマバード市北西約95km、深さ約10kmを震源とするマグニチュード7.7の地震が発生しました。
被害状況
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1次隊が災害地へ向かう途中、上空から撮影
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倒壊した地元の病院
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倒壊した民家
派遣までの経緯
パキスタン軍報道官によると、この地震による死者は推定約2万人超と発表されました。今後も被害拡大が見込まれ、パキスタン政府は日本政府に対して救助チーム、医療チームの派遣を要請しました。これを受けて日本政府は両チームの派遣を決定し、JICA(独立行政法人 国際協力機構)に派遣を指示しました。
その後、1次隊の活動が終了時期になっても、引き続き現地の医療ニーズが高いことから、日本政府は医療チーム2次隊の派遣を決定、JICAに派遣を指示しました。
11月2日(水)朝日新聞報道によると、パキスタン死者73,276人、負傷者69,269人、インド死者1,309人
- ●派遣救急救命士
- 松阪南消防署 消防司令補 三宅正浩(45歳)(当時) 1次隊 10月10日~10月23日
松阪中消防署 消防士長 渡部歩(35歳)(当時) 2次隊 10月20日~11月2日
日本から現地へ
1次隊は10月10日、成田国際空港において結団式に臨み、バンコク経由でラホール国際空港に到着し、陸路首都イスラマバードへ移動しました。その後、バタグラムへパキスタン軍のヘリコプターで移動しました。
2次隊は10月20日、成田国際空港において結団式に臨み、バンコク経由でカラチ国際空港に到着し、空路首都イスラマバードへ移動しました。その後、バタグラムへマイクロバス2台で移動しました。
※2次隊先遣隊は19日出発し、バタグラムへはパキスタン軍のヘリコプターで移動。
活動状況
バタグラム地方は、600村からなる準山岳地帯で、日本チームが最初に現地入りしました。小学校のグランドにエアーテントでサイトを建て診療を実施し、隊員の宿舎は中庭に設置しました。診療内容は外傷が中心でありましたが、徐々に寒さと降雨から子供を中心に肺炎による呼吸器疾患が増え、急性期の内科疾患へと変化していきました。
※バタグラム:震源地北西約50kmに位置する山間の町
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バタグラムの町並み
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診療サイト
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エアーテント内で受付、バイタルサインの測定を行う三宅・渡部隊員
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医師達によるエコー診断
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X線撮影を行う技師達
医療活動終了から帰国
1次隊は10月21日、2次隊に引継ぎ、診療活動を終えました。滞在中、延べ1,115名に対して診察を行いました。
2次隊は10月30日、日本のNPO組織HuMAに引継ぎ、診療活動を終えました。滞在中延べ1,144名に対して診療を行いました。
各隊はバンコク経由で帰国し、成田国際空港で解団式に臨みました。
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解団式
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2次隊メンバー